がんになった あなた と わたしへ

がんを経験したわたしの記憶 そしてこれから。

自分のがんを 子どもに伝える  実践編

がん治療が始まる直前に、夫と一緒に

息子(小4)と娘(小2)に、話をすることにしました。

 

治療が始まる直前とは言わず、

もっと早くに話してあげれば良かったのかもしれないけど

 

告知の直後は

自分自身が恐怖と不安でいっぱい

 

治療計画が出来上がり、少しずつ気持ちが落ち着いて

はじめて、冷静に明るく話せる気がしてきました。

それと、髪が抜ける前に話さなきゃと。

 

とても参考になった本があります。

 

『がんになった親が子どもにしてあげられること』

東京共済病院がん相談支援センター

大沢 かおり

ポプラ社

 

著者の大沢かおりさんは、

東京共済病院 がん相談支援センター に勤務されている

医療ソーシャルワーカーでご自身もがんサバイバーです。

 

この本を読むことは、

がん患者となった自分のあたまの中の

グチャグチャに絡まった糸を

一本ずつ、ていねいに

ほどいていく作業のようでした。

 

子どもの発達に応じた伝え方、

子どもにストレスがある場合の対応など

実践的なケアについても、

細やかに具体的に記されています。

 

 

さて

 

わたしが子どもたちに伝えるべきことってなんだろう?

考えてみました。

 

* お母さんが乳がん

 というがんにかかっていて、

 

* どんな治療をする予定で、

 

* 髪が抜けたり具合が悪くなる時もあるけど、

  病気が進行しているからではなく、

    がんを治す薬を体に入れるからだよ 

 

* きみたちは今まで通り、

  学校や習い事や友だちと遊んでね

 

* でもお母さんが大変なときは

     おうちのこと、手伝ってくれたら

  お母さん、うれしいなー(^^)

 

* お母さんやお父さん、学校の先生、保健室の先生に

  心配なことや辛いこと

  話していいんだよ(先生方にもお話ししました)

 

ということでした。

 

小2の娘には

言葉だけでは理解が難しいかも...

と思い、

 

何種類かの画像を

タブレットに用意して

 

がんという病気について簡単に説明をしたあと

 

となりのトトロ

メイとサツキのお母さんみたいに入院するんだよ

 

と、画像を見せたり、

 

・もうすぐこんな髪型になるんだよ

 

と、とってもいい笑顔の

瀬戸内寂聴さんの写真を見せたり

 

なんだか

紙芝居のような

もはやフリップ芸

のような...笑

 

子どもは一瞬

お母さんがお坊さんになるのかと思ったようです(´⊙ω⊙`)

 

 

『がんになった親が子どもにしてあげられること』より 抜粋

東京共済病院がん相談支援センター

大沢 かおり

ポプラ社

 

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「がんになったせいで、子どもを傷つけることになった。子どもに申し訳ない気持ちでいっぱいだ」

「ほかの子どもの親はみんな元気なのに、自分は具合が悪いから、一緒に遊んであげることができない」

「入院ばかりで、いつも寂しい思いをさせてしまっている」

 

がんが子どもに与える影響を考えて、自分ががんになったことを責める親御さんはとても多く、その気持ちは痛いほどよくわかります。

 

でも、だからこそ声を大にしてお伝えしたいのは、親ががんになることは、子どもにとってマイナスの経験ばかりではないということです。

 

実は、専門家の視点から言うと、親ががんになるという経験は子どもたちにとって、人生の困難な出来事を乗り越える力を養い、精神的に成長するチャンスになるのです。

 

中略

 

たしかに親のがんはつらく、悲しい経験になるでしょう。それは否定できません。でも大切なのはそれだけではないということです。

 

そもそも子どもは、守られるだけの存在なのでしょうか?

子どもを支えられなければ、親失格なのでしょうか?

絶対にそんなことはありません。

 

親が子どもに与えられる最も大きな贈り物は、庇護ではない。

壁にぶつかった時に、その困難を乗り越えるための力。

そして、それを支える自信を育むチャンス。

それこそが、本当に大切な贈り物なのです。